やっと清書に入りました…

ここまで(清書の段階)くるのに、随分時間がかかりました・・・・。
そしてこの清書も、まずは紙に着物の寸法(墨打ち)の線を引くという作業があります。
1つの着物をパーツごとに分解します。
私が今描いている『のしめ』=『一つ身』では(後身・前身・衽・紐・右前袖・右後袖・左前袖・左後袖)
この8つのパーツに分解して、それぞれ1枚1枚 紙に描いていきます。
丈、縫い代がパーツそれぞれ違うので、間違えないように描きます。


この時に一番基本で重要なことは!


『定規を使って真っすぐな線を引く!』 です。



「かんた〜ん」って思うでしょ?


意外に難しいんですよ?←私だけかな〜?


紙自体が1m以上はあるので、1mの長〜いスチールの定規でも足りないのよ〜。
下絵の時点で歪んだ線を引いていたら、それを生地に写して→加工→仕立て という段階を踏んでいったら確実にずれてきます。
柄は全部 前から後まで 身・袖まで 全て繋げて描いてあります。(要するに絵羽ものね。)


そんなわけで、この墨打ち、線引きっていうのは重要な作業なんです!



今日はそういう作業などをしていました。


下絵の段階で「真っすぐな線を引く」という、誰でもできそうなことが、できないという人がいるということを大人になって知りました。
「かんた〜ん」とか思って、いい加減にやっていると、必ず失敗するんです。
「失敗」と気付けばまだ良い方です。「ちょっとゆがんだけど、いいや〜」っていう仕事のやり方なんて、もっと後でヒドイ目に遭います。。。。

適当な計り方とか、ちょっとゆがんだ線とか描くと、ぜ〜んぶ柄がずれてくるんです。
私はとってもこういう作業って苦手で、嫌いだけど、『これって基本だな〜』って思います。


『仕事ですから!』


出来て当然!やらないといけません!手作業だから、ちょっとは…という言い訳なんてありません。



そこで、基本的な線の引き方講座♪

1.右利きの方は右手にペンを持ちます。
2.左手は定規を押さえます。
※このとき必ず定規は縦に真っすぐ置きます。斜めに置いたり、横に向けてはいけません。
3.ペンをしっかり定規につけてゆっくり上から下へ線を引きます。


お察しの通り 2.の定規の置き方が、ポイントね!
めんどくさくなって、斜めからとか横から線を引いたりすると、ずれたり、フワッと浮いた線を引いてしまったりします。


そして、応用編?
カッターで真っすぐな線を切る時は、上記と同様、必ず定規は縦に真っすぐ置きます!そして上から下へ。


これ、基本ね。


これね〜。私、美術学校で習ったのね。その時「へぇ〜」ってすごく感心したのを覚えています。
当然って言えば当然の動作なのでしょうが、教えてもらって初めて気付いたみたいな感動でした。
私が美術学校で習った中で、一番今でも役に立っていることです!?ホントに!
まさかここで(この仕事で)活用するとは思ってもいませんでしたが・・・・。


指示通りにその寸法に計って線を引くという、誰でも出来るはずのこの作業ですが、かつてそれが出来ない人を何人も見てきています。
もしですが、私がお弟子さんを取るとしたら、まずこの『線を引く』という作業をしてもらいたいと思いますね〜。
その作業でその人の姿勢というのが分かる気がします。
もうね。おおげさですが、その人すべてが『その線』に集約されている気がします!?


でもね。安心して下さい!?←誰に対して?
私はこの仕事、今年で14年目ですが、この線を引く作業、とても苦手です。

でも、これが『原点』って思って、神経つかって頑張っています!


ちょっと今日は真面目に語ってみました・・・・(笑)